2012年2月16日木曜日

森林鉄道遺構とは?

高知はほんとうに昔々のむかしから銘木の産地。梁魚瀬杉や四万十檜といえばブランド木でした。また、現在も84%というダントツの1位で森林保有率を誇る森林大国でもあります。

そんな古い昔から珍重された材木を切り出し、輸出するため、高知には今はなき林業のための鉄道がいくつも走っていました。それが森林鉄道です。
高知県というお国柄もあるんでしょう、他の県では取り壊されるこれらの遺構(使われなくなった施設)が、高知県ではほったらかしにされたり、町道として整備され再利用されたり、遊歩道として用いたりされています。これが森林鉄道遺構と呼ばれるものです。

高知県の東、梁魚瀬(やなせ)の杉を運ぶために今から100年前の明治から走っていたのは梁魚瀬森林鉄道(wiki)。こちらは近代産業遺産、また重要文化財として登録されています。

これに対して、四万十エリアにも同じく、四万十檜を運び出していたんでしょうか、旧大正林道という森林鉄道が走っていました。
下津井めがね橋を起点に始まるウォーキングトレイルという遊歩道と、梼原川から四万十川につながるいくつかの遺構が残っています。

automaはこれらを追いかけて行きたいと思っています。

とっちょこ!こうちとは?

とっちょこ!こうち とは、高知の新しいフォトジェニックなスポット。
単なる観光地ではなくて、写真に収めたくなる、また、これを撮りに行きたい!と思わせる場所を100選びに選んだ企画で、面白いのはプロのカメラマンが、ここをどう撮れば、いつ撮れば面白いかのアドバイスなんかのサポートをしている、という、単なる見栄えのいい場所特集に終わってないアクティブなところ。高知県人の「ただ見るだけじゃつまらん」という行動的なところ、「あれもこれもいくらでも持って行きなさい!」というサービス精神、そして意外にアーティストが多い芸術に近いお国柄を表した見事な企画だと思っています(もちろん、いい場所がいっぱい、いろいろな趣向で、すべての季節で楽しめるという高知県の特性もね)。

automaはこの#075の下津井渓谷にあるめがね橋を見つけたときにこの標識を見て、かなりショックを受けました。これは、制覇したい、と。そして、同じこと(ぜひ写真を撮ってくれと思うところを紹介したい)を考えてる人々がちゃんと動いているんだ。ということを。
景色に番号がついていることも、景色じたいを作品として管理している感じがして楽しい思いがしました。これがとっちょこ!こうちとの出会いでした。この後すぐに#076とばったり出会うんですが…。

これを紹介したいと思っていたんですが期間限定だったサイトも消えてしまい、mixiコミュニティでも賛同者が得られず閉鎖せざるを得ず、悲しい思いをしていたんですが、このたび高知県のおもてなし課ががんばってサイトをきれいに再生してくれました。
これをからめた旅行プランなんてにくいものも提案していますのでぜひのぞいて見て下さい。

とっちょこ!こうち 公式サイト
http://www.attaka.or.jp/photolib/index.php

かつおのたたきバーガー

まあ、名前を聞いて食べる気がしないとは思います。が、だまされたと思って食べてみて一瞬で前言を撤回したくなるのがこれ。かつおのたたきバーガー。


道の駅ビオスおおがたで食べられるんですが、土佐の高知、黒潮町といえばこれの藁焼きかつおのたたきが二切れに大葉とたまねぎとタルタルソースを乗せ、かつおぶしを練りこんだ特製バンズで挟んだのがこのバーガー。

NHKのローカル線クイズ番組の問題として出題され、石塚英彦さんや榊原郁恵さんらが大絶賛。また、その後日テレ系秘密のケンミンSHOWでもご当地バーガー特集でその回一番の大絶賛を受けていました!

食感は生ならではのぬるりとした感覚が、お肉のバーガーと違うことに一瞬戸惑いを感じるかもしれませんが…漁師も刺身をマヨネーズで食べる、という本当にうまい食べ方に近いことでも示すとおり、ものすごくおいしいカルパッチョを一口でほおばるのに似てるかもしれません、黒潮町のおいしさを一口で味わえる絶品のバーガーなのです。

やはり生なのでほかの場所では食べられません。似たようなものをほかで再現できるかもしれませんが、藁焼きたたきが他でなかなかできないのもあり、またかつおぶしバンズなどとの相性もあるので、やはりここでしかできないのではないかと思います。
地元のぼくらもついここはスルーしてしまうような場所なんですが、これだけのために道の駅ビオスおおがたにはぜひ立ち寄ってほしいなと思います。

番組ではビオス内のレストランで注文する風景が撮影されていましたが、テイクアウトのファーストフードコーナーでも買うことができます(500円)。ぜひ一度食べてみてください。人に勧めたくなりますから!

下津井渓谷

下津井渓谷は現在は高岡郡四万十町に位置するので、正確には幡多郡ではありません。
が、しかし、幡多十景が公開された昭和28年当時、幡多郡大正町と、幡多郡に属していたため選出されました(つい最近の平成の大合併まで大正町だったため、このエリアはこのブログで引き続き紹介していきます)。

下津井渓谷は、四万十川の支流、梼原川にある渓谷です。
automaは2011年のGWに訪れました。幡多十景制覇に挑戦した第一歩で、このときわかっていたのがここともう一箇所のみでした。
梼原川は文字通り梼原村の方から流れ、四万十川に注ぐ川ですが、この川ぞいに酷道として有名な国道439号線が走っています。渓谷と酷道という言葉からイメージしやすいですがものすごく細い道で、しかも交通量もややあったりしますので訪問の際にはお気をつけください。

下津井は温泉があるのどかな場所で、このあたりは川も中流で湖のように静かです。下津井といえば有名なのが下津井めがね橋。水面に映るダブルアーチ橋がちょうどめがねのように見えることから名づけられた、ぴったりなニックネームです(正式名称は佐川橋)。
この橋は旧大正林道(森林鉄道)のための橋で現在はレールが撤去されていますが歩行は可能です。この橋から下流に向けて、国道とは対岸にウォーキングトレイルという歩道が整備されて森林浴などができるようになっていますが、こちらは森林鉄道の軌道のあった場所を再利用したものとなっていて、鉄道があった時代を懐かしむことができるようおにもなっています。
また、このあたりは夏には蛍が舞い、湖面に映る姿がとても幻想的だそうですが、まだ見たことがないのでリベンジしたいと思っております。

【補足】
ここを訪れたことで、森林鉄道遺構と、とっちょここうちというふたつの新しい興味の対象に出会うことになりました。その話はまた別の場所で。

幡多十景とは?

幡多十景(はたじゅっけい)とは、高知新聞社が主催により購読者の投票により選ばれた、いわば幡多エリアのみどころTOP10とでもいえるもので、昭和28年11月16日の高知新聞紙面で発表されたもののようです。

現在より約60年も昔に発表されたもので、それ以降にまた新しい見所も増えたこと、また終戦直後だったこともあり、おそらくあちこち見て回れる機動力や生活の余裕もなかったからでしょうか、現在ほとんどの幡多の人々の記憶にも残っていない幻の遺産でもあります。

管理人はこれを2011年の2月のころより調べ始め、休みのたびに少しずつ訪問していくという活動を始めました。このきっかけは、管理人の生家のすぐ近くに「鹿島ヶ浦」があり、幼いころから幡多十景のことを認識していたからですが、残りの9つに関してはサイトにも情報は皆無、幡多在住の方に聞いても記憶にない、ということでなかなか苦労しましたが、管理人の従姉妹からの情報で一気に判明することになりました。
(一部、迫田司さんの著書で「(西ヶ方の)金刀比羅山」と、mixiの幡多郡コミュニティからの情報で「下津井渓谷」は判明していました。)

ということで以下が幡多十景になります。カッコ内はスポットがある地域なんですが、その後合併した町村名などもあって興味深いところです。

1.下津井渓谷(大正)
2.四万十川鉄橋河畔(中村具同)
3.鹿島ヶ浦(佐賀)
4.平野海岸(下田)
5.?????(??)
6.七日島起点小筑紫湾(小筑紫)
7.金刀比羅山(江川崎)
8.入野松原(大方)
9.樫西海岸(月灘)
10.有岡城跡居部正(中筋)

<昭和の市町村合併>
中村(市)具同・下田村・中筋村→中村市
小筑紫村→宿毛市
月灘村→大月町

<平成の大合併>
大正町→高岡郡四万十町
(江川崎のあった)西土佐村・中村市→四万十市
佐賀町・大方町→黒潮町

2011年3月26日土曜日

かつおのたたき

黒潮町でうまいものといえば、とりあえずまず浮かぶのがかつおのたたき

今でこそ市民権を得て、全国どこでもおそらく見られますし、多くの亜流も現れましたが、ぼくにとっては実家に帰ってきたと思える食べ物の1位か2位に入るものです。

ここ最近塩たたき、というのが出てきました。
出てきました、というよりも、昔からここではこう食べてたよ、という食べ方なんですが、とりあえずうちではたたきはたれです。

東京に出てきたかつおのたたきは、ポン酢で食べるようです。
そんなものはたたきではない、といいたい部分もありますが、それは人それぞれ。
ただ、ぼくのなじみのかつおのたたきのたれは、自分の家で作る、甘くてゆずの酸味の効いた、甘酸っぱいものでした。
これにたまねぎとスライスしたにんにくが乗って、さらに甘さとさくさくした食感が加わります。

鮮度のいいかつお(よく父が尾を握ってうれしそうに帰ってきて見せてたのを思い出します)の節をコンロであぶって(藁で焼くのが全国的にはポピュラーですが、家で焼く場合はコンロでやります)外に焦げ目がつき、かつおの厚い銀色の皮の下は、ベージュっぽい不透明な色から、赤い透明な色へのくっきりしたコントラストができたその断面図。
料理は目で楽しむもの…皿に盛ったレイアウトだけではなく、食べるその瞬間まで楽しめるのがかつおのたたきの特徴かもしれません。


我が家のかつおのたたき。このときはたまねぎはなくて、ねぎと葉野菜。確かこのときのたれは、なぜかブームになってるポン酢。なんで!?

アイスクリン


暖かくなると、県内の主要な道路沿いに必ず現れるのがアイスクリンやさん。
パラソルの下にアイスをいれたタンク、そしておばちゃんおじちゃん。

アイスクリーム?いえ、アイスクリン。
なにが違うの?といわれても、食べてみて。って言うしかないんですが、アイスクリームはその名のとおり乳が一定以上入ったもので、基本的にはバニラ味ですよね。
アイスクリンは、もっと水分が多くてさわやかな味。ミルクの味よりは、フルーティーでさっぱりした後味で、1本さくっと食べられてしまいます。
昔はコーンしかなかったのですが、現在はカップもあったり、いつものあのアイスクリン味以外にもいろんなフレーバーが増えてるところもあるようです。



聞いたところによると、朝早くから、ここなら売れそう!と目をつけた、または縄張りがあったらその場所に単身タンクとパラソルとともに投下され、売切れるまで(か、夜になるまで)一人ぼっちで売るのが普通。基本的にアイスクリンのメーカーに雇われて歩合制なんだとか。

太平洋を望む国道56号線の海岸沿いや、はたまた四万十側沿いの見晴らしのいい道路沿い、峠や駐車場脇など、ちょっと車を停められるところがあればどこでも見かけられます。たまに、こんなところトイレとかどうするの?と思う場所にいたりしますが、とにかくあちらこちらで見かけられて、150~200円とかで気軽に楽しめます。楽しいのがおばちゃんたちと「今日は暑いねえ」などと地元トークができることだったりします。

みなさんも見かけたらぜひ気軽に寄ってあげてください。自己流で違うフレーバーを求めている人とかもいるので、味比べをしても面白いかも。